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  • 四国八十八ヶ所霊場マップ

行程表 標高グラフ地図付き リタイアしないための「歩き遍路」の情報満載!

四国お遍路に行かれる方は年間約30万人、そのうち歩き遍路は約5千人といわれています。

普通の人なら 1,100km余りの道のりを歩き通すことなど考えもしないでしょう。
今の時代には、便利な車という乗り物があります。
それを敢えて歩くという人は、よほど強靭な精神力と体力に
自信を持っておられる人だと思います。

そうした人たちでも、お遍路5日目、17番井戸寺を回り終えた後に
50%以上の人が限界に達し、6.5km先のJR徳島駅から家路につかれます。
筆者自身もふくらはぎの痛みで歩行困難になり、一時はリタイア寸前まで追い込まれました。

そうした原因の大半は、「情報不足による、必要以上の体力の消耗」にあると思っています。
逆に言えば、しっかりした情報が得られれば、
必要以上の体力を消耗することはない
ということになります。

筆者が歩き遍路をしたとき、本当に欲しかった情報は…

その日はどこまで何キロ歩いて、何時頃に宿に到着するか。

その日は平坦な道が多いのか、上り下りが多いのか、難所があるのか。

難所がある場合は、具体的にどのように大変なのか。

ということでした。

従って、本書では…

1日ごとの行程表(距離、時間)と、それに連動した標高グラフ。

概ね平坦な道の区間と、坂や難所がある区間の説明。

その日に歩く区間の地図(経路入り)。

が一目でわかるようにしました。

50日モデルプランを紹介

1番霊山寺から88番大窪寺までの 1,100km余りを、健脚の人は40日、遅足の人は60日で回ります。本書では、60代で体力が標準の方という設定で、50日で無理なく回るモデルプランを紹介しています。

体力には個人差がありますので、本書のモデルプラン(標準ペース)より早く歩かれる人、ゆっくり歩かれる人もおられることでしょう。しかし、どちらの場合でも、本書の情報を参考にして、ご自分に合った計画を組んでいただくことができます。

服装や装備予備知識を紹介

また、お遍路に必要な服装や装備、事前に知っておきたい予備知識、足の手入れ方法など、筆者(竹本 修)が実際に歩いた経験を基に、実践的なアドバイスを紹介しています。そして、ただ歩くだけのお遍路でなく、遍路途上にあるさまざまな観光スポットや見所なども紹介しています。

筆者が泊まった宿

初めてお遍路に行かれる人は、皆さん、宿泊先の選定に悩まれます。そこで、本書のプランで、筆者が実際に泊まった宿をご紹介しますので、宿を選ばれる際の参考にしてください。

筆者は2回(2014年と2022年)、お遍路に行きましたが、その中で良かったと思う宿です。何れも遍路道沿いにあり、食事と風呂が満足できた宿でした。朝一番に難所を歩く場合には、スタート地点(登山口)から最も近い宿を選びました。

1日目

6番安楽寺 宿坊

6番安楽寺 宿坊

(徳島県板野郡上板町字寺ノ西北8 ☎088-694-2046)

3日目の焼山寺道(お遍路中、最大の難所)を万全に乗り切るために、2日目に11番藤井寺まで回り終えておくことが絶対条件です。そこから逆算しますと、1日目は6番安楽寺~8番熊谷寺の間で宿泊するのが妥当です。多くの宿がありますが、ここは、駅路寺として400年の歴史があり、天然温泉の大浴場がある「6番安楽寺の宿坊」をお薦めします。宿坊というと堅苦しく思われるかもしれませんが、部屋は個室ですし、夕食時にはビールや日本酒が飲めます。

2日目

旅館 吉野

旅館 吉野

(徳島県吉野川市鴨島町飯尾1444-1 ☎0883-24-1263)

11番藤井寺を回り終えた後、そこから最も近い宿─「旅館 吉野」(0.8km先)に宿泊します。そうすることで、3日目の朝は11番藤井寺で時間を取られることなく、効率よく焼山寺道(11番藤井寺の本堂横からスタート)に向かうことができます。尚、3日目は12番焼山寺まで、ずっと山の中を歩きます。もちろん、途中には店も自販機もありません。そこで、「旅館 吉野」で出発時にいただくおにぎり(200円=希望者は前日に予約)が非常に助かります。

3日目

すだち案

すだち庵

(徳島県名西郡神山町下分鍋岩180 ☎090-2677-8000)

「12番焼山寺の宿坊」が休業中で、さらに焼山寺から3~4kmの鍋岩地区の民宿が全て廃業されてしまったため、焼山寺到着後の宿泊先確保に苦労する時期が続いていたのですが、2021年9月、鍋岩地区の「すだち庵」(焼山寺から3.3km)がリニューアルオープンされました(但し、12月中旬~2月下旬は休業になりますので、ご注意ください)。他の宿泊先は、焼山寺から約10km離れていますので、焼山寺道で疲れ果てた足で歩くのはかなり厳しいです。

4日目

名西旅館

名西旅館

(徳島県徳島市一宮町西丁414 ☎088-644-0025)

4日目は、ほとんどの人がフラフラになりながら、13番大日寺まで歩いてこられます。中には、途中でもう歩けないと宿にSOSの電話をし、車で迎えにきてもらう人もいるほどです。その13番大日寺周辺の宿は3つあります。①「名西旅館」、②「かどや旅館」、③「13番大日寺の宿坊」です。筆者は1回目のお遍路では①、2回目のお遍路では②に泊まりました。①は旅館というより、温かい雰囲気の民宿というイメージ、②は料理が自慢の老舗旅館でした。

5日目

ホテル サンルート徳島

ホテル サンルート徳島

(徳島県徳島市元町1-5-1 ☎088-653-8111)

5日目は、お遍路中、最も疲れが残る日になります。この日は無理をせず、歩行距離を抑え、それまでの疲れを癒やし、体をしっかり休ませる日にします。JR徳島駅前の「ホテル サンルート徳島」の最上階の大浴場は天然温泉(一般客は入浴料730円)で、宿泊客は無料で何度でも入浴できます。夕食はレストランで好きな物を。15時のチェックインに合わせて、昼食や買い物等で少し時間調整をしてください。

6日目

ふれあいの里 さかもと

ふれあいの里 さかもと

(徳島県勝浦郡勝浦町坂本字宮平1-5 ☎0885-44-2110)

6日目は、20番鶴林寺の登山口にあたる「道の駅─ひなの里 かつうら」から車で送迎してもらえる「ふれあいの里 さかもと」に泊まります。平成11年に廃校になった坂本小をリニューアルした宿で、筆者は「保健室」に泊まりました。部屋はきれいな和室です。尚、7日目は、ずっと山の中を歩きます。そこで、「ふれあいの里 さかもと」で出発時にいただくおにぎり(180円=希望者は前日に予約)が非常に助かります。

7日目

民宿 山茶花

民宿 山茶花

(徳島県阿南市新野町秋山188-1 ☎0884-36-3701)

3回連続の遍路ころがし、大根峠の急峻な遍路道を歩き切り、やっとの思いで23番平等寺に到着します。そのすぐ隣にある「民宿 山茶花」は、お遍路さんの定宿です。ハードな1日で、お遍路さんは皆疲れ切っていますが、どの顔も達成感に溢れています。お接待で、洗濯機と乾燥機が無料の上、出発時にはお菓子や果物、飲料水のペットボトルなどを勧められます。数ある遍路宿の中でも、本当に至れり尽くせりの宿です。

8日目

ビジネスホテル ケアンズ

ビジネスホテル ケアンズ

(徳島県海部郡美波町奥河内弁才天75-16 ☎0884-77-1211)

お遍路も1週間が過ぎました。歩き疲れも解消して、体がお遍路に慣れてきた頃です。1回目のお遍路では、「24番薬王寺の宿坊」に泊まったのですが、コロナ禍で休業中だったため、2回目のお遍路では、薬王寺から0.6km先の「ビジネスホテル ケアンズ」に泊まりました。夜は近くで外食し、翌日の朝食はコンビニで買っておきます。部屋でゆっくりでき、出発時間も自由に決められますので、ときにはビジネスホテルもいいものです。

9日目

はるる亭

はるる亭

(徳島県海部郡海陽町久保板取230-1 ☎0884-76-2282)

日和佐からは、左手に広大な太平洋を見ながら、室戸岬を目指して歩きます。「はるる亭」は、海陽町にある お遍路さんの定宿です。お風呂は天然温泉の大浴場。料理は水床湾で獲れた魚介類がとても美味しく、筆者にとっては三ツ星の宿でした。1回目のお遍路では、「別格4番鯖大師の宿坊」に泊まったのですが、夜のお勤め(護摩祈願)が最高の思い出になりました。筆者としては、どちらも◎で、甲乙つけがたい二択です。

10日目

民宿 徳増

民宿 徳増

(高知県室戸市佐喜浜107-5 ☎0887-27-2475)

室戸岬まであと15kmの佐喜浜には、①「民宿 徳増」と②「ロッジ尾崎」の2軒の宿があります。筆者は1回目のお遍路では①、2回目のお遍路では②に泊まりました。①は自家製の野菜と、佐喜浜港で獲れた新鮮な魚が食卓を彩り、田舎の実家に帰省したような温かさを感じる宿でした。②はサーフィンで有名な尾崎海岸の目の前にあり、部屋から見える大波が迫力満点でした。料理も品数豊富で、美味でした。どちらも好感の持てる宿でした。

11日目

民宿 うらしま

民宿 うらしま

(高知県室戸市元甲1901-4 ☎0887-23-1105)

24番最御崎寺、25番津照寺の後は、26番金剛頂寺の登山口にあたる「民宿 うらしま」に泊まります。体力に自信がある人は、一気に金剛頂寺まで行って(上って)、そのまま「26番金剛頂寺の宿坊」に泊まるという手もあります。筆者は、難所を上るのは、1日で最も体力がある朝一番と決めていましたので、前者にしました。但し、翌朝が雨になりそうなときは、話は別です。金剛頂寺への上りの遍路道は急坂ですので、雨で足元が悪いと苦労します。

12日目

民宿 とうの浜

民宿 とうの浜

(高知県安芸郡安田町唐浜2374 ☎0887-38-8827)

26番金剛頂寺の上り下りの遍路道、急登の中山峠道を歩き切り、やっとの思いで27番神峯寺の登山口となる宿─「民宿 とうの浜」に到着します。宿の経営者は前日の「民宿 うらしま」と同じで、宿泊料なども全て前日と同じです。27番神峯寺は、土佐の関所寺と言われており、最後の2kmの急坂(真縦)は、歩くのも大変ですが、車遍路のエンジン音も尋常ではありません。お遍路で計10ヶ所ある遍路ころがしのうちの5つ目です。

13日目

ホテル タマイ

ホテル タマイ

(高知県安芸市矢ノ丸1-6 ☎0887-35-2111)

13日目は、お遍路5日目と同様に、歩行距離を抑え、それまでの疲れを癒やし、体をしっかり休ませる日にします。26番金剛頂寺の上り下りの遍路道、急登の中山峠道、27番神峯寺の上りの遍路ころがしで、体がかなり疲れている筈です。安芸市役所の隣にある「ホテル タマイ」の大浴場で疲れをしっかり癒やし、夕食はレストランで好きな物を。1回目のお遍路のときには、秋季キャンプ中の阪神タイガースの若手選手と一緒になりました。

14日目

旅館 かとり

旅館 かとり

(高知県香南市野市町草野1955-2 ☎0887-55-3133)

平坦な海岸線を歩くうち、左手に高知市街が見えてきます。また、野菜のビニールハウス群も多く目にするようになります。28番大日寺の4km手前にある「旅館 かとり」は、お遍路さんの定宿です。団体客が泊まれる宿なので風呂が大きく、疲れが癒やされます。食堂(レストラン)は一般客も大勢訪れる、地元で評判の食事処です。歩き遍路にとっての楽しみは、何といっても宿の食事とお風呂です。筆者にとっては三ツ星の宿でした。

15日目

ビジネスホテル 土佐路

ビジネスホテル 土佐路

(高知県高知市高須2-6-55 ☎088-882-7700)

30番善楽寺を回った後は高知市街まで南下し、31番竹林寺がある五台山の4km手前にある「ビジネスホテル 土佐路」に泊まります。夜は外食になりますが、近くに食事処やコンビニがありますので心配ありません。よさこい節で、「土佐の高知のはりまや橋で坊さん簪(かんざし)買うを見た」とありますが、このお坊さんは、江戸時代末期の31番竹林寺の僧─純信で、歌詞は実話だそうです(僧侶と鋳掛屋の娘との駆け落ち事件)。

16日目

民宿 まさご

民宿 まさご

(高知県高知市浦戸桂浜22 ☎088-841-2580)

32番禅師峰寺から33番雪蹊寺は海路(渡船)と陸路(浦戸大橋)があり、どちらを選んでも構いません。筆者は、桂浜(高知の観光スポット第1位)に立ち寄りたかったので、後者にしました。幕末の土佐を舞台にした映画や大河ドラマなどで必ず登場する桂浜と、広大な太平洋に向かって立つ坂本龍馬像を見学してから、桂浜から最も近い宿─「民宿 まさご」に泊まりました。親切な女将で、心が温まりました。戻り鰹も最高に美味でした。

17日目

ビジネスイン 土佐

ビジネスイン 土佐

(高知県土佐市高岡町甲1975-15 ☎088-852-5322)

17日目は35番清瀧寺の流汗坂、18日目は塚地峠、横浪スカイラインと、急坂や激しいアップダウンが続きます。その代わり、素晴らしい眺望が堪能できます。「ビジネスイン 土佐」は土佐市役所からすぐ近くのビジネスホテルです。夜は外食になりますが、同ホテルが経営する1Fの居酒屋は、メニューが豊富でお薦めです。風呂上がりにエレベーターでそのまま居酒屋へ直行。─年甲斐もなく、ワクワクしながら暖簾をくぐりました。

18日目

民宿 旭

民宿 旭

(高知県須崎市浦ノ内池ノ浦241 ☎088-856-2090)

36番青龍寺からは、宇佐大橋まで戻って浦ノ内湾の北岸を歩くか、左手に土佐湾を見ながら横浪スカイラインを歩くか─の二択になります。筆者は打戻りが性に合わず、また、多少ハードでも景色の良い道が好きなので、後者にしました。青龍寺から約8km先の池ノ浦漁港にある「民宿 旭」では、伊勢海老料理を堪能しました(要予約)。また、活きた伊勢海老を息子と娘に宅急便で送ったところ、箱を開けてビックリ。孫たちも大興奮だったようです。

19日目

民宿 安和乃里

民宿 安和乃里

(高知県須崎市安和919-2 ☎0889-42-8613)

20日目は、足摺岬への最後の難関─焼坂遍路道とそえみみず遍路道の急坂を越えます。最初の焼坂遍路道の登山口となる安和には、①「民宿 安和乃里」と②「民宿 あわ」の2軒の宿があります。筆者は1回目のお遍路では①、2回目のお遍路では②に泊まりました。①はレストランが隣接した民宿で、屋上で洗濯物を干したことを覚えています。②は高齢のご夫婦が経営されており、お接待で洗濯機と乾燥機が無料でした。

20日目

37番岩本寺 宿坊

37番岩本寺 宿坊

(高知県高岡郡四万十町茂串町3-13 ☎0880-22-0376)

筆者は打戻り(来た道を戻る)が性に合わず、常に前へ進む主義なのですが、宿泊先を選定する際も同様で、来た道を引き返すことになる宿には泊まらないようにしていました。37番岩本寺の場合、その先には宿がないため、そのまま「37番岩本寺の宿坊」に泊まりました。食事と設備が充実しており、お遍路さんのほかに観光客やビジネス客も利用されていました。お風呂は大浴場で、焼坂峠とそえみみず遍路道を歩いた疲れが癒やされます。

21日目

民宿 みやこ

民宿 みやこ

(高知県幡多郡黒潮町上川口1486-1 ☎0880-44-1485)

土佐佐賀駅を過ぎた辺りから、広大な太平洋が目の前に広がります。ここからはずっと土佐湾を左に望みながら、足摺岬を目指します。お遍路14日目に、はるか彼方に霞んで見えた足摺岬が、すぐ近くに見える所まで来ましたが、到着するのは2日後になります。黒潮町には多くの宿がありますが、筆者は、喫茶店が隣接した「民宿 みやこ」に泊まりました。気立ての良い女将で、好感の持てる宿でした。

22日目

民宿 大岐の浜

民宿 大岐の浜

(高知県土佐清水市大岐3182 ☎0880-82-8304)

足摺岬まであと半日という下ノ加江~大岐にも多くの宿があります。翌日の宿から逆算して、足摺岬(38番金剛福寺)を14時までに回り終えるためには大岐がベストと判断し、真っ白な砂浜と緑の林が1.6km続く大岐海岸の手前にある「民宿 大岐の浜」に泊まりました。親切な女将で、心が温まりました。ここは、足摺岬から打戻りをする人が泊まることも多いそうです。歩き遍路の人には出発時、お接待でおにぎりがいただけます。

23日目

民宿 大岐の浜

民宿 青岬

(高知県土佐清水市松尾うすばえ1042 ☎0880-88-1955)

38番金剛福寺からは、半島の西側を通って大月~宿毛を目指すルート、下ノ加江まで引き返して(打戻り)、三原経由で宿毛を目指すルートの2通りがあります。打戻りが性に合わない筆者は、もちろん前者です。「民宿 青岬」は足摺岬で一番高い場所にあり、食事・風呂・眺望の三拍子が揃った宿です。観光客に人気の宿ですので、早めの予約が必要です。筆者にとっては三ツ星の宿でした。歩き遍路の人には出発時、お接待でおにぎりがいただけます。

24日目

ホテル 南国

ホテル 南国

(高知県土佐清水市竜串28-5 ☎0880-85-0109)

多少ハードでも景色の良い道が好きな筆者には、半島の西側を通るルートが大正解でした。臼碆や叶崎の絶景、奇岩奇勝の竜串海岸や見残し海岸は、お遍路の中でも特に印象に残りました。「ホテル 南国」は竜串海岸の目の前にあります。団体客が泊まれるホテルなので風呂が大きく、癒されます。早めに到着しますので、部屋に荷物を置いて竜串海岸や見残し海岸を散策されるとよいでしょう。普段の生活では、なかなか目にすることのできない絶景です。

25日目

ホテル ベルリーフ大月

ホテル ベルリーフ大月

(高知県幡多郡大月町周防形404 ☎0880-74-0222)

1回目のお遍路では、月山神社~姫ノ井を経て大月の旅館、翌日は宿毛の旅館に泊まったのですが、平成30年の水害の被害が甚大で、大月・宿毛の旅館や民宿のほとんどが廃業されてしまいました。現在宿泊できるのは、大きなホテルに限られます。姫ノ井郵便局から少し先を左折し(宿の看板あり)、約3km歩いて「ホテル ベルリーフ大月」に到着します。食事・大浴場・眺望─の三拍子が揃った宿で、心身共に癒やされます。

26日目

ホテル アバン宿毛

ホテル アバン宿毛

(高知県宿毛市宿毛1108 ☎0880-63-1180)

39番延光寺の後、往路で歩いた宿毛まで戻ってきます。宿毛駅近くの「ホテル アバン宿毛」は、夜は外食になりますが、ホテルの敷地内にとんかつ専門店があります。翌日から5日連続で峠越えをしますので、ここでスタミナをつけておくのもよいでしょう。また、秋~冬に宿毛を訪れ、幸運の「だるま夕日」に興味がある人は、日暮れ前、タクシーで宿毛湾に行かれるとよいでしょう。筆者は、2回目のお遍路で、運良く見ることができました。

27日目

旅館 山代屋

旅館 山代屋

(愛媛県南宇和郡愛南町御荘平城2270 ☎0895-72-0001)

宿毛から松尾峠を越えて愛媛県に入ります。これから大洲市内に入るまで、毎日峠越えがあります。峠に上るのは大変ですが、素晴らしい眺望というご褒美があります。27日目は宿毛湾、28日目は宇和海の絶景を楽しんでください。「旅館 山代屋」は、40番観自在寺の門前にある、大正元年創業の老舗旅館です。ずっとお遍路さんに接してこられているので応対が良く、安心して宿泊できます。大きめのお風呂で、松尾峠を越えてきた疲れが癒やされます。

28日目

三好旅館

三好旅館

(愛媛県宇和島市津島町岩松814-1 ☎0895-32-2107)

急登の柏坂遍路道を越えてから、津島町まで長い道のりが続きます。疲れ切ってようやく辿り着くのが、老舗旅館(明治15年創業)の「三好旅館」です。変わった屋根ですねと女将さんに尋ねると、創業当初は3階建てだったところ、台風で屋根瓦が飛び、隣家から苦情が出たため、3階部分を撤去して現在の姿になったとのことでした。本館(宿泊)から別館に移動して食事になるのですが、品数の多い豪華な夕食がお遍路さんに好評です。

29日目

宇和島ターミナルホテル

宇和島ターミナルホテル

(愛媛県宇和島市天神町3-22 ☎0895-22-2280)

1回目のお遍路では三間町に宿泊したのですが、その後、同町の民宿が全て廃業(または休業)されてしまったため、8km余り手前の宇和島市内に泊まりました。午後の時間が空いてしまったので、ホテルに荷物を預け、宇和島名物の鯛めしを食べてから、別格6番龍光院と宇和島城を見学しました。「宇和島ターミナルホテル」は、JR宇和島駅のすぐ目の前にあります。夜は外食になりますが、お店には困りません。

30日目

第1ビジネスホテル 松屋

第1ビジネスホテル 松屋

(愛媛県西予市宇和町卯之町3-207 ☎0894-62-3232)

三間町までの長い上り坂、歯長峠(標高480m)の上り下りが厳しかったので、体がかなり疲労している筈です。宿のお風呂に長く浸かって疲れを癒やしましょう。43番明石寺から急な遍路道を約1km下った所にある「第1ビジネスホテル 松屋」は、江戸時代創業で、日本一漬物が美味しいとされる「松屋旅館(改装のため、現在は休業中)」が経営するビジネスホテルです。歩き遍路の人にはお接待で、洗濯を無料でしていただけます。

31日目

ときわ旅館

ときわ旅館

(愛媛県大洲市中村629 ☎0893-24-3634)

宿毛から5日連続の峠越え。最後の鳥坂峠(標高470m)を越えて、大洲市内に到着します。JR伊予大洲駅のすぐ近くにある「ときわ旅館」は、お遍路さんに有名な定宿です。ご主人は鳥坂峠や別格7番出石寺の遍路道の整備にも携わっておられます。お接待として、洗濯を無料でしていただけます。尚、体力と時間に余裕がある人は、連泊されて、翌日、弘法大師が雪中修行を行なったとされる別格7番出石寺に立ち寄られることをお薦めします。

32日目

大福旅館

大福旅館

(愛媛県内子町寺村1140 ☎0892-52-2402)

翌日の農祖峠(標高651m)まで 40km余り、ずっと上りが続きますので、無理をせず、自分のペースを守って歩いて下さい。「道の駅 内子」を過ぎた辺りから本格的に上りが始まります。筏(いかだ)流しで有名な小田川を右手に見ながら、曲がりくねった坂道を歩いていき、道の駅「小田の郷 せせらぎ」の2.5km手前にある「大福旅館」に到着します。新築の別館に「料亭」の看板が掲げてある通り、料理がとても美味な宿でした。

33日目

ガーデンタイム

ガーデンタイム

(愛媛県上浮穴郡久万高原町久万1471 ☎0892-21-0005)

久万高原に到着した後は、44番大寶寺と45番岩屋寺をいつ、どの順番で回るか─によって泊まる宿が変わってきます。いろんな選択肢がありますが、筆者は、翌日、順番通りに回って、同じ宿に帰ってくることにしました(連泊)。44番大寶寺から45番岩屋寺までの遍路道はかなり険しいため、宿に不要な荷物を置いて行けるのは大きなメリットです。農祖峠(標高651m)を下り終え、県道33号線を北へ1.6km行った所に「ガーデンタイム」があります。

34日目

ガーデンタイム

ガーデンタイム

(愛媛県上浮穴郡久万高原町久万1471 ☎0892-21-0005)

お遍路で背負う荷物の重量は、ザックを含めて10kg前後だと思います。連泊で、宿に不要な荷物を置いて行けるとなると、4~5kgは軽くなりますので、歩きがすごく楽になります。論より証拠。44番大寶寺からの峠御堂遍路道、急登の八丁坂から45番岩屋寺までの山道を歩いているときにその効果を実感する筈です。「ガーデンタイム」の1Fはレストランですので、筆者は朝食付きの宿泊プランにし、夕食は2日とも好きな物を食べました。

35日目

たかのこのホテル

たかのこのホテル

(愛媛県松山市鷹子町737-2 ☎089-960-1588)

三坂峠(標高710m)から一気に600m下った後は、46番浄瑠璃寺、47番八坂寺・・・と、松山八ヵ寺が始まります。久万高原までの疲れが残っている人や、翌日の午後を観光に充てる予定の人は、46番浄瑠璃寺前の「長珍屋」が宿泊候補になります。筆者は、49番浄土寺手前の「たかのこのホテル」に泊まりました。隣の「たかのこの湯」の大浴場は源泉かけ流しの天然温泉(一般客は入浴料700円)で、宿泊客は無料で何度でも入浴できます。

36日目

民宿 上松

民宿 上松

(愛媛県松山市和気町1-119 ☎089-979-1500)

1回目のお遍路では、51番石手寺の後、松山城、坂の上の雲ミュージアムを見学し、道後温泉に泊まりました。素通りするにはもったいない場所ですので、特に初めて四国を訪れた人は、36日目の午後を観光と休息にあてられてもよいと思います。毎日、ただひたすら お遍路のルートを歩き続けるばかりでは疲れると思います。「民宿 上松」は、松山八ヵ寺の最後─53番円明寺の目の前にあります。食事は部屋に運んでいただけます。

37日目

あさひや旅館

あさひや旅館

(愛媛県今治市大西町新町甲454-1 ☎0898-53-2032)

松山からは、左に鏡のような瀬戸内海を見ながら海岸線を歩きます。ほぼ平坦な道を30km余り歩き、心身共にバテる寸前でJR大西駅前の「あさひや旅館」に到着します。大正時代から6代続く老舗旅館で、ずっとお遍路さんに接してこられているので応対が良く、安心して宿泊できます。大きめのお風呂に浸かって疲れをしっかり癒やします。ビジネスホテルが好きな人には、隣に「ホテル ニュースガノヤ」があります。

38日目

ホテル バリ・イン

ホテル バリ・イン

(愛媛県今治市中寺239-1 ☎0898-33-0909)

56番泰山寺から57番栄福寺へ向かう途中、道端にお遍路の無縁仏の墓所があり、厳粛な気持ちになります。1回目のお遍路では、食事(精進料理)・風呂(天然温泉)・眺望の三拍子が揃った「58番仙遊寺の宿坊」に泊まったのですが、現在は食事の提供をしていない(今後も再開の予定なし)ということで、2回目のお遍路では、仙遊寺から約4km下った所にある「ホテル バリ・イン」に泊まりました。夜は外食になりますが、お店には困りません。

39日目

湯の里小町温泉 しこくや

湯の里小町温泉 しこくや

(愛媛県西条市小松町明穂甲50 ☎0898-72-6688)

39日目はほぼ平坦な道を歩きます。翌日の難所(60番横峰寺)に備えて、体力を温存することを心掛けて歩いてください。まだまだ余力があるという人には、4km余分に歩くことになりますが、「もみじの西山興隆寺」として有名な別格10番 興隆寺に立ち寄られることをお薦めします。「湯の里小町温泉 しこくや」は横峰寺の登山口に最も近い宿です。大浴場でしっかり疲れを癒やし、翌日の遍路ころがしに備えます。

40日目

ビジネス旅館 小松

ビジネス旅館 小松

(愛媛県西条市新屋敷甲202-1 ☎0898-72-5881)

60番横峰寺の険しい遍路道(上り&下り)を歩き切り、62番宝寿寺まで回った後は、宝寿寺からすぐ近くの「ビジネス旅館 小松」か、約5km先の「湯之谷温泉」に泊まることになります。健脚の人は後者でもよいのでしょうが、筆者は無難に前者を選びました。1回目のお遍路のときに泊まった場所から0.2km移転されたのを知らなかったため、探し当てるのに少々苦労しました。建物は新築で、快適に泊まれました。

41日目

ビジネスホテル MISORA

ビジネスホテル MISORA

(愛媛県新居浜市外山町18-12 ☎0897-41-7822)

伊予小松の後は、新居浜か、伊予土居駅辺りに泊まることになります。前者は翌々日、伊予三島駅付近の宿から65番三角寺に向かうプラン。後者は翌日、一気に三角寺まで行き、そのまま66番雲辺寺の登山口である池田町佐野まで行くプランです。前者を選んだ筆者は、新居浜の遍路道沿いにある「ビジネスホテル MISORA」に泊まりました。夜は外食になりますが、近くに食事処やコンビニがありますので心配ありません。

42日目

ビジネスホテル マイルド

ビジネスホテル マイルド

(愛媛県四国中央市三島朝日3-1-12 ☎0896-24-3090)

43日目は 65番三角寺(標高500m)、44日目は 66番雲辺寺(標高910m)と正念場が続きます。この2日間が事実上、最後の難関になります。65番三角寺の登山口になる伊予三島駅周辺には多くの旅館やホテルがありますが、筆者は登山道に近い「ビジネスホテル マイルド」に泊まりました(伊予三島駅から 1.8km先)。食事も栄養満点でした。歩き遍路の人には出発時、お接待でおにぎりがいただけます。

43日目

民宿 岡田

民宿 岡田

(徳島県三好市池田町佐野牛頭586 ☎0883-74-1001)

65番三角寺の後は、境目峠を越えて、66番雲辺寺の登山口になる池田町佐野の「民宿 岡田」に泊まります。65番から66番の間にはこの宿1件しかありませんので、何日も前から予約して押さえておく必要があります。もし、泊まれなかった場合は、そこから約8km先の池田町白地に泊まるしかありません。夕食時、名物のご主人の話が面白いです。歩き遍路の人には出発時、お接待でおにぎりがいただけます。

44日目

亀の井ホテル 観音寺

亀の井ホテル 観音寺

(香川県観音寺市池之尻町1101-4 ☎0875-27-6161)

1回目のお遍路のときには、66番雲辺寺、67番大興寺の後、観音寺市内まで歩いたのですが、雲辺寺の上り&下りで足が疲れ果ててしまい、大変な目に遭いました。2回目のお遍路では歩行距離を抑え、67番大興寺と観音寺市内のほぼ中間に位置する「亀の井ホテル 観音寺」(旧かんぽの宿 観音寺)に泊まり、大浴場で疲れを癒やしました。筆者にとっては大正解で、翌日は軽快に歩くことができました。

45日目

道の駅 ふれあいパークみの

道の駅 ふれあいパークみの

(香川県三豊市三野町大見乙74 ☎0875-72-2601)

45日目は、71番弥谷寺近くまで歩きます。体力に余裕がある人は、その日のうちに、540段の石段を上って弥谷寺を回り終えてもよいのですが、結構きつい石段ですので、宿までの上り坂で疲労がピークに達している人は無理をせず、行程表の通り、翌朝回られることをお薦めします。「道の駅 ふれあいパークみの」の大浴場でしっかり疲れを癒やします。翌日は、6寺を一気に回ります。

46日目

チサンイン丸亀 善通寺

チサンイン丸亀 善通寺

(香川県丸亀市原田町西三分1587-1 ☎0877-21-3711)

行程表には掲載していませんが、73番出釈迦寺の後、奥の院である「捨身ヶ嶽禅定(標高380m)」まで行かれることをお薦めします。ここは弘法大師の重要な霊跡で、東寺、高野山と共に国内三霊場の一つと言われています。また、元々はここが73番の札所でした。宿泊先としては、弘法大師生誕の地である「75番善通寺の宿坊」も魅力ですが、歩行距離をもう少し延ばしたかった筆者は、丸亀の「チサン イン丸亀 善通寺」に泊まりました。

47日目

えびすや旅館

えびすや旅館

(香川県高松市国分寺町国分2066-1 ☎087-874-0567)

47日目は、ほぼ平坦な道を歩く最後の日になります。翌日は81番白峯寺までの上り坂(一本松までの約1.5km=最後の遍路ころがし)、翌々日は84番屋島寺の上り&下り、85番八栗寺の上りがお遍路最後の急坂になります。一日で最も体力がある朝一番に難所を歩くようにする─というプランを最後まで貫き、81番白峯寺の登山口にあたる「えびすや旅館」に泊まりました。お接待として、洗濯を無料でしていただけます。

48日目

天然温泉きらら

天然温泉きらら

(香川県高松市一宮町800-1 ☎087-815-6622)

81番白峯寺までの上り坂(遍路ころがし)、82番根香寺までの自然豊かな根香寺道(約5km)でしっかり汗をかいた後は山を下り、83番一宮寺まで歩きます。一宮寺のすぐ近くにある「天然温泉きらら」の大浴場は源泉かけ流しの天然温泉(一般客は入浴料700円)で、宿泊客は無料で何度でも入浴できます。まだまだ体力に余裕がある人は、さらに5~6km先のビジネスホテル街に泊まると、翌日が大分楽になります。

49日目

冨士屋旅館

冨士屋旅館

(香川県さぬき市志度548-8 ☎087-894-1175)

84番屋島寺の上り&下りと85番八栗寺の上りは厳しいですが、上からの眺望が素晴らしく、汗を拭いながら飲むお茶の味も格別です。志度は、お遍路最終日の1日前にあたる場所ですので、86番志度寺の周辺には多くの旅館が立ち並んでいます。筆者は、志度寺の0.7km手前にある「冨士屋旅館」に泊まりました。1階が寿司店だけあって、びっくりするほど豪華な夕食でした。お遍路も、いよいよ明日で終了(結願)です。

50日目

旅館 竹屋敷

旅館 竹屋敷

(香川県さぬき市多和竹屋敷123-1 ☎0879-56-2288)

88番大窪寺を回り、無事結願するのは、お昼過ぎ(13~14時)になります。その後は、本堂のすぐ目の前にある「八十八庵(やそばあん)」で名物の「打ち込みうどん」を食べてから、高松市内へ向かう人が大多数です。筆者のように、結願の余韻に浸って大窪寺の近くでゆっくり宿泊したいという人には、「旅館 竹屋敷」をお薦めします。最後まで歩き切った自分へのご褒美として、最後の夜に贅を満喫するのもよいでしょう。

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